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2004年 08月 31日

ハーレム(その5)堂本さんのHPより

昨日も紹介させてもらった堂本さんのHPから少し引用させてもらいます。NYって5番街、ミュージカル、ショッピングの街だけではないようです。この日々の考察って本当に興味深くてお勧めです。

日々の考察
http://www3.diary.ne.jp/user/310766/

■2004/01/10 (土) NYのワースト校

 ニューヨークの公立学校は荒れ放題。最近は日本の学校も怖いらしいけれど、その怖さのレベルがちょっと違う(と思う。)なんといっても入り口に金属探知器があり、警備員がいるわけです。

 そんな状態にニューヨーク市長がとうとうキレて、「ワーストスクール12」を発表し、その学校にめったやたらな数の警官を配備させた。

 若い黒人警官が「生徒はお巡りのことなんか屁とも思ってないね」と言ってた。どういうことかと言うと、現行犯逮捕でない限り、警官は子どもに手出しできないのだ。「なにか悪いことをやっていそう」というだけで手荒なことをしようものなら、逆に児童虐待とか、人権無視で訴えられる。

 他にもいろいろ問題があって、今回の措置の善し悪しがいろいろと議論されているけれど、それは置いておくとして、その公立高校&中学校ワースト12に、なんとハーレムの学校がランクインしていないのである。驚いたでしょ。

 12校のうち、6校がブルックリンにある学校、4校がブロンクス、1校がクイーンズ、最後の1校はマンハッタンのロウアーイーストサイド。

 ワースト20くらいまで広げると、さすがにハーレムの学校も入ると思うけれど、日本で「ハーレム、めちゃくちゃ怖そう!」とか言われているのが間違った先入観だということの証明ですね。

■2004/01/08 (木) 黒人の方(かた)はコワい

 あるウエブサイトの掲示板で面白い書き込みを見つけた。ニューヨークのブルックリンについての表記。

> 黒人の方ばかりで怖い雰囲気でした。

 むむむむ…。なんとも言えない微妙な日本語。

 そもそも、「方(かた)」とは、「人(ひと)」の丁寧な言い方だから、「黒人の方」はオカシな二重表現。

 それに、発言者がブルックリンを怖いと思ったのは、そこに居たのが黒人ばっかりだったからのようで、それならば「黒人の方」っていう丁寧な言い方はヘン。この人にとって黒人はネガティブな存在だったわけだから。「犯罪者の方ばかりで怖い雰囲気でした」とは言わないでしょう、この人も。

 要するに「黒人は怖い」けれど、「黒人を黒人というだけで差別してはイケない」というポリティカリー・コレクトを知っている。しかも「黒人」という言葉自体に差別的な響きがあると考えている人も多い。だからこんなヘンな表現になっちゃったんでしょうね。

 ちなみに、その人が怖いと言ったブルックリン。かなり広い区なのでいろんなエリアがあり、ブルックリンというだけで「怖い」というのは大間違い。けれど中には確かに「荒っぽい」場所もありますです。はい。

■2004/02/08 (日) ヤムルカとスイカ

 ニューヨークのエリート高校同士のバスケの試合があった。一校はユダヤ系、他方はアフリカンーアメリカン。試合が盛り上がってきたときに、アフリカンーアメリカンの応援団が「ゲフィルトフィッシュ!」「ヤムルカ! ヤムルカ!」と叫び出し、これが大ごとになった。

 ゲフィルトフィッシュとはツミレみたいなユダヤ料理で、ヤムルカはユダヤ教の男性がかぶっている小さなお皿みたいな帽子。

 ユダヤ系の生徒の父親は「わたしたちが『スイカ』『カラードグリーン』などと言えば黒人は人種暴動を起こしたはずだ」と怒り心頭。ちなみにスイカ、カラードグリーンはアフリカンーアメリカンの好物。

 このお父さんはポイントをついている。「黒人だけが他人種、他エスニックを揶揄できるライセンスを持っている」問題ですね。

 黒人は奴隷制と人種差別でさんざんな思いをしてきたし、白人は加害者なので、白人は黒人をからかえない(少なくとも公の場では)、けれど黒人はなんでも言える、という状況がアメリカにはある。

 いずれにせよ、これはマイノリティ同士の話ではある。白人アメリカ人に向かって『コーク!』『ハンバーガー!』と叫んでも全然嫌みにならないし。あ、でもイタリア系に『スパゲッティ!』とか、アイルランド系に『ジャガイモ!』とかいうと、やっぱりケンカに
なるか。

 難しい国です、アメリカ。

■2004/05/02 (日) 晴天の日のハーレム

 NY Streamというストリーミング映像サイトで、わたしのハーレム・ウォーキング・ツアーを取材していただいた。その日はお天気もよく、取材先の店の人たちもみんなよくしてくれて、楽しい仕事となった。
http://www.nystream.net/tourism/harlemtour/index.html

 ハーレムほど天気によって雰囲気が変わる街も少ないかもしれない。青空が広がると、空間の広く取られた街の造りが際立つ。歩いていて、のんびり、ゆったりとした気分に浸れるのだ。

 取材の前日にツアーがあり、男性客ふたりと、ハーレムいちばんの廃虚エリアを歩いていたときのこと。通りの右側にはガラスの無くなった真っ黒な窓枠が目立つガイコツみたいな廃虚が並ぶ。けれど左手側には公園があり、ベンチにはお天気が良いのでお年寄りが
数人座っていた。街路樹は春になって緑の葉っぱをつけているし、そこから木漏れ日が差している。

 そんな複雑な風景を前にして、お客さんは「ハーレムって思っていたより良いところだなあ」と言った。

追記:読み直して気づいたけれど、ブルックリンやブロンクスでの事件についてたくさん書いている。「ハーレムの方が安全」を強調するために意図的に書いているわけでは決してない。日々の事件を拾うと必然的にこうなる。

by dabadabax | 2004-08-31 07:23 | NY-街並み


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