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2012年 06月 09日

映画 「道 白磁の人」

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私が韓国の白磁を知ったのは、何年か前、雑誌だったと思う。焼き物が好きで、日本でもこれまで色々訪れている。藍色の美しい伊万里焼や砥部焼、地味だけど落ち着いた味わいの備前焼がとても好き。台湾の故宮博物館では、景徳鎮の多くの美しい焼き物にとても感動した。

だけど本物の白磁を見たくて、東京は駒場の日本民芸館に初めて行った時には、乳白色の壺に何とも言えない暖かさを感じて、韓国に行ったら絶対に見たいと思った。そしてソウルの国立中央博物館やサムスン美術館には多くの白磁の焼き物が収集されていて、見ているだけで本当に豊かな気持ちになれる。
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それと同時に、韓国の陶器に関する色々な本を読み始めた。そして今日から新宿で、「道、白磁の人」という映画が公開されたので早速見に行った。監督や出演俳優の舞台挨拶もあった。

映画の公式ページを是非ご覧ください。  
映画は、23歳で朝鮮にわたって植林活動に従事し、当時あまり顧みられなかった朝鮮陶器の白磁の美しさに目を開かれた日本人、浅川巧(1891-1931)と、彼と一緒に仕事をしたイ・チョンリムとの友情を軸に、当時の日本と朝鮮の関係を描く。浅川は日本の過酷な統治下にあった朝鮮で、朝鮮語を学び、貧しい朝鮮の人々に寄り添って助け、名もなき朝鮮の職人の手仕事による白磁や膳を愛し保護した。40歳の若さで亡くなった時には、多くの朝鮮人が嘆き悲しみ、棺を担いだと言われる。そして今も朝鮮の地に眠る。

彼の活動は朝鮮民族美術館設立となり、後に日本民芸館初代館長になる柳宗悦等に影響を与えて行く。柳に白磁に注目するようにすすめたのは巧の兄の浅川伯教だった。

映画は9割が韓国で撮影され、日本の植民地政策に反対する朝鮮人の独立運動も取り上げられており、10年前だったら、日本側が韓国で統治時代のシーンを撮ることは難しかっただろうと監督は話していた。そして7月12日から、韓国でも上映が決まったそうである。

韓国ドラマやK-POPが日本で人気になっている今だからこそ、映画化が可能になったとのことだが、あの時代にこういう日本人がいたということ、日本がしたことを知るためにも、絶対にお勧めの映画。多くの人に見て欲しいと思います。「白磁」の焼き物が、いかに美しいかということも良く分かると思います。

by dabadabax | 2012-06-09 23:02 | 韓国


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